9. ようこそ、わが家へ
やーーーっと!池井戸さんの小説、読みました。アルプやプログラムで彼の文を読んでいて、凄く読みやすい。小説読んでみたいと願い続け、ようやく。
ドラマ見てた陸王にしようかと検討してたけど、ガスが出てくる本にしようということで、こちらの本をチョイス。
拾って飼うことにした猫にガスって名前をつけてました。でもほとんど出てこなかった😅
さて。本編について。
平凡な日常に突然降ってくるサスペンス。
主人公倉田の職場、そして自宅に押し寄せる黒い雲。
もう続きが気になって気になって、400ページ越えを1日で一気に読んでしもうた。
面白かったしワクワクした。
彼の職場の真瀬という、奴がかなり気にくわないやっちゃでな。でも最後には悪いことをした人がきちんと報いを受け、正しいことをしている人がきちんと評価されてスッキリでした。
気になった箇所をいくつかピックアップ。
主人公倉田が幼かった頃に父親と釣りに行った時の回想シーン。釣る場所を巡って男たちと対立し、結局倉田親子が引き下がってしまう苦い思い出。を表現したワンフレーズ。
忘れ去るには貴重すぎ、思い出すには苦すぎる
貴重すぎというのがまだ理解しきれてないけど、何だか引っかかった箇所。
倉田が駅でトラブった男にストーカーされ、息子が、そいつに仕返ししないとという場面で倉田が返した一言
武力行使で収まる紛争ってのはないんじゃないか
おおーう。なる、ほど。と感じました。
何だかスッキリするフレーズ。力を力で対抗しても解決しないのかもしれないわね。
疑問が足元からじわじわと這い上がってくる
じわじわ。こういう表現素敵。
手練手管(てれんてくだ)
思うままに人を操り騙すこと
聞こえのいいことばかりいう奴というのは、最後には嫌われる。最初は煙たがられても、芯を通すほうが最終的には相手と理解しあえる
ぜひそういう世の中になって欲しいものです。
世の中のエキストラ
自分の人生の主役は自分。わかっていても、こんな風に感じてしまうこと、どうしてもある。よくある。
人間はだれだってひとりなのだと。
それぞれの人生を生きている。様々な困難に耐えながら。正しいことさえしていればいつかは報われる そんな価値観はとっくの昔に放り出され、粉々になってしまった
家族と言えどもそれぞれの人生を歩んでいるんだなあ。
それても正しいことをしている人が報われる世の中であって欲しい。
象の墓場
LKやん。
LKやん。
ここでは、最後の部署。もう必要のない、まさに墓場のような職場を指していた。
ラスト。全て解決して電車でのシーン。
電車に乗っている周りの人は名前も知らない名無しさん。逆に周りの人から見た私も名前知らない名無しさん。
でも、
それぞれに名前があり、それぞれの尊い人生を生きている。
そうなんだよな。一人一人、愛している家族がいて、趣味があって、私には想像もできない人生を送っている。
必死で生きている、みんなひとりの人間なんだ。
かなり面白い本でした。
読めて良かった!
また池井戸さんの本読むぞ。