13. 旅猫リポート
とんでもねえ名作に、出会ってしまった…
今年1番のヒット…。いや、今年そんなにまだ本読んでないけど😅
猫です。
以前、TwitterでCats好きならとオススメしてもらった一冊。やっと手に取れました、
結果、読んで良かったです。
ざっくり全体のあらすじやら感想。
ある野良猫が交通事故で瀕死の状態だったところを、サトルが救う。そして猫をナナと名付け、2人は一緒に暮らし始める。だが5年後、よんどころのない事情により、ナナを手放さなければならなくなった。引き受けてくれる候補の友人たちを訪ねる、サトルとナナの旅が始まる。
まずねー、書き出しが面白い。大事。
吾輩は猫である。名前はまだないーと仰ったえらい猫がいるそうだが、名前があるという点においてそのえらい猫に優っている。
ここで一気に引き込まれた。
はじめのうちは、なんだしこの猫、生意気だなー。なるほど、猫ってこんなこと考えてるのかー。ってぼんやりとしか読んでませんでした。
ナナを手放す理由がリストラによるものだと信じこまされていたから。ミスリードー
でも、終盤、残酷な真実を知ったときから、涙が溢れて、止まらなかった。電車内で号泣してしまった。
猫目線からも、面白くて。
例えば海で波を初めて見たときの描写。
この圧倒的なエネルギーを伴った大量の水の永久運動が面白いって、人間どんだけ能天気なの!?〜猫が巻き込まれたら死にますよ、
船については、
おなかの中に車を何台も飲み込んで沈まないなんて、人間はすごいものを作るねえ。
こういった猫目線の表現が多くて、それが本当に猫の気持ちのような、凄く説得力がある。
もちろん書いているのは人間のはずなのに、何でこんなに凄いのだろうか〜。
気に入ってポイントをいくつかあげます。
悟が引越しでナナを遠い親戚に預けなくてはいけなくなり、コースケが引き取りたいと親に懇願。だが父親が頑なに認めない。親戚が貰ってくれるならいいじゃないかと主張されたときのコースケの気持ちがこちら。
めったに会わない遠い親戚なんか子供にとっては他人と一緒だ。
友達の方がよっぽど近くだ。
この、心情的に考えるコースケの気持ち、これが子供心なのか〜と気付かされた。
そのとき、コースケが悔しくて泣いたと。父親が猫一匹引き受けてくれないような、人間で悔しいと。最初その猫を拾ったときは自分が飼えなくて、悲しくて泣いた。そこにコースケの何か成長が感じられてよき。
猫は聞き取りはマルチリンガル、猫だけでなく、犬やほかの動物たち、人間の話す言葉も理解できる。
でも字を読むのは出来ないそう。読み書きは人間だけが持っている独特の言語体系なのだそうです。へえー。
そして、
サトルの真実を知ったとき、ものすごくショックを受けた。
ナナもその事実を知っており、サトルへの想いが綴られているのを読み胸が熱くなった。
野良猫だったのに、動物病院まで連れて行って治してもらえ、さらにサトルの猫になれるなんて世界で1番幸せな猫だったんだよ。
サトルが僕を飼えなくなっても、何も失わない。
ナナという名前と、サトルと過ごした5年を得ただけなんだ。
こんな考え方初めて。
誰かを亡くしたら、絶対その人を失ったと思うだろう。でもそうじゃなくて。その人と過ごせた日々を手に入れられただけなんだって。
新鮮な考え方だった。
すごく幸せになれるなあ。
サトルが先に死んでしまっても、サトルに出会わないより出会った方が幸せだ。
素敵。
もうとにかくラストは号泣です。
猫飼ったことないあたしですら共感の嵐でした。
一度ナナが野良猫に戻るんです。その理由が、主人であるサトルがいないなら、野良猫になる。他の主人はいらない。と。な、なんて誇り高いジェリクルキャット!!なるほど。首輪をしているジェリクルってこういうバックグラウンドがあるのかも!?
と考えるとCatsがますます面白く観られるのですわ。
これで大体感想書けたかな?
とにかくよい本に巡り会え感謝。